こちらの項目では運動によって改善へと進むためにポイントについて紹介していきます。
鍛える場所は主に腹筋回りと腰回りです。
ちなみに、辛い運動は続かないのは多くの患者さんを診ていて嫌というほど見てきており身に染みています(笑)なので、簡単で「ながら」でも続けられる運動をお伝えします。
鍛える場所は主に腹筋回りと腰回りです。
ちなみに、辛い運動は続かないのは多くの患者さんを診ていて嫌というほど見てきており身に染みています(笑)なので、簡単で「ながら」でも続けられる運動をお伝えします。
動画は見やすいように基本的に短めに設定しています(3~5分程度)コンセプトは「セルフメンテナンス」なので、「いつでも」「どこでも」「ながらでも」そして「ある程度効果が見込めるもの」としています。
運動内容は主にこちら。
- 筋肉や関節を柔らかくする
- 筋トレ
- 姿勢(生活習慣)
- 腹式呼吸
- 飲水習慣
運動療法のガイドラインについてはこちらの記事を参考にしてやってみてください。
そもそも痛い場合は運動していいのか?についてはこちらから。
Contents
筋肉や関節を柔らかくする
ここまでの話で「動き」が重要という事は何となくでも理解できたと思います。
ということで柔軟体操を実施していきます。ラジオ体操のような体操をご紹介。身体が固くていいことは一つもありません。
急な運動で筋肉や関節を痛めないように昔から「運動前には柔軟体操が大事」と言われてきているのはこういった理由がきちんとあるからですね。
柔軟体操をする部分は
- 股関節
- 腰回り(骨盤帯・前後傾)
- 体幹(お腹周り)
です。
どのように実践するのかは動画で解説しているので参考にしてください。
柔軟体操
テキストでも簡単に書いておくと
- 座って股関節を開く
- 長座位(足を伸ばして座る)で骨盤周囲を延ばす
- 長座位(足を伸ばして座る)で太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばしていきます
- 立って体幹を捻る・前後屈
- 腸マッサージ(コツはゆっくり押すというよりもなでる感じ)
という内容です。図解と動画で説明していきますね。
動画はこちら。
座って股関節を開く
長座位(足を伸ばして座る)で骨盤周囲を延ばす
長座位(足を伸ばして座る)で太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばしていきます
立って体幹を捻る・前後屈
- 長座位で太ももの裏(ハムストリングス)を伸ばしていきます
- 立って体幹を捻る・前後屈
- 腸マッサージ(コツはゆっくり押すというよりもなでる感じ)
という内容です。どれもテレビを見ながらだったりスマホをいじり「ながら」でも行えるくらいの負荷量です。
腸マッサージ
内臓の動きが不足すると便を排出すために必要な動きである「蠕動(ぜんどう)運動」が起こりにくくなります(便を我慢しても同様の事が)。
この動きを外から促す行為が「腸マッサージ」です。
コツとしては「押す」というよりも「なぞる」ように表面を軽く滑らせる程度でOKです。
押しすぎるとアザになったり却ってお腹が痛くなったりするので注意が必要です。
動画はこちら。
お尻歩き
運動内容としては骨盤帯を大きく動かすことで腸の周りの筋肉も動きますし、適度な負荷もかかります。運動としては深層筋に対してもアプローチできるので最適な方法です。
動画はこちら。
筋トレ
筋トレと聞いて「うわっ」って思う人多いと思います(笑)そりゃガチでボディビルダーを目指すようなガチムキがゴールであるならば、それなりの負荷をかけて筋トレしないといけないのですが、目指す場所はそこではないので腹筋にある程度負荷をかけて動きを作るという目的で行っていきます。
気になる運動の内容ですが、
お腹をへこませる(腹踊りの要領。腹式呼吸でも使います)運動を行います。程度は疲れたりお腹がつりそうになったら終了です。
動画はこちら。
ちなみにこれ、へこませた位置まではウエストを絞れる目安みたいですよ。セルライトが付いていて思ったよりへこまなかったという方は…(残念)。
女性の場合は腹式呼吸の習慣がないので「どうやって動かしたらいいんだろう?」ってきっとなると思います。男性でもこのような腹筋の使い方を意識している人ってほとんどいないと思います。
筋肉の使い方には単純に縮むのと延びながら縮むという2種類の働き方があります。
みんなが知っている腹筋の方法を例にとると、仰向けになって起き上がるのが単純に縮む方です。一方お腹をへこます収縮様式は起き上がった身体をバタンと倒れないように元の位置に戻していくときに使っている収縮様式です。
「ブレーキをかけながら筋肉の長さをコントロールする」というのが最も難しいけれど身体を円滑に動かすためには超重要な筋肉の働きの一つです。
お腹をへこませることができれば内臓への刺激はとても起こります。腹筋の筋トレが上手く行けば胃下垂も元の位置に戻ったりする場合もあります。
この運動によりぽっこりお腹やウエストが細くなるなどの効果が得られます。
姿勢(生活習慣)
意外と見逃しがちなのがこの姿勢保持です。主に注意すべきポイントは
- イス座位(脚を組む習慣があるか)
- 立位(立ち姿勢)
- 猫背
です。
腰痛予防の要素もあるので必見ですよ。
こちらも女性に多いのですが、反り腰や背中(猫背)が曲がっていると背骨の位置が悪く適切に筋肉が働かなかったり、代謝の低下や冷え、腰痛や肩こりの原因にもなっています。
筋肉に適切に力が入らないと排便時に力が入らない(出きらない)こともありますし、偏ったバランスや使っている筋肉がいつも同じ(負担がかかっているのが同じ)ということ。
また、下図のように
同じ方の足を組んでいるクセなどがあると骨盤の歪みや内臓の位置がズレてきたりすることも。デスクワークなどで不調を抱える多くの人はこれらの小さな習慣から小さな歪みを複数引き起こしているということです。
それに対して詳しく説明した記事はこちら。
この問題を解消するにはやはり正攻法の正しい姿勢習慣を身に付ける(再教育する)のが一番手っ取り早く、かつ効果的です。
柔軟体操が大事だというのは多少無理がかかった姿勢であっても負荷を受け流す余裕が身体にあるのとないのとではダメージの蓄積が全然違うからです。
腹式呼吸
続いて腹式呼吸ですが、腹式呼吸というのは呼吸に合わせてお腹を動かす(吐く時にへこませて、吸う時に膨らませる)ものです。
腹式呼吸の方法については動画で解説します。
ここで注目すべきは腹筋もそうですが、ポイントは「横隔膜」です。横隔膜は呼気(吐く時)と共に頭の方に引き上げられ、吸気(吸う時)と共に足の方に引き下げられます。
分かりやすい図解はこちら。
上図は胸郭(肺)のモデルです。下の紐みたいなのを引き下げると風船(肺)が膨らむのを表しているのですが、紐と黒い部分がまさに横隔膜の働きです。
上図を見るとオレンジの部分が横隔膜です。肺と内臓の間にある筋肉なのでこの部分が動くことで腹筋はもちろん内臓もガシガシ動きそうな感じしませんか?
まさに内臓とも関連が強いので横隔膜が弱ると胃などの臓器も下に下がってしまう感じもつかめると思います。
腹式呼吸で腹筋やお腹がしっかり動けば周囲の筋肉が活性化して支える力が働きやすくなります。支える力が強くなれば重力で下がっていた内臓も横隔膜の働きによって上に押し上げられて元の位置に戻りやすくなります。
胸式呼吸が普通になっている場合は中々腹式呼吸に切り替えるのって習慣にないので、難しいと言われています。
そこで楽ちんな方法を伝授いたします。腹式呼吸の一番楽な方法は風船をふくらますことです。ちなみに副次効果として「口すぼめ呼吸」になるのでフェイスラインも続けていくとスッキリしますよ。
百均のもので全然OKですので購入して、一つをゆっくり膨らますことをやってみてください(1セット3~4回もやれば十分です。きっと身体が温かくなっているハズ)。一日トータルで8回程度がオススメ。
呼吸が浅いと胸式呼吸になりがちなので深く・ゆっくりを意識してみてください。リラックスできる環境下で行うのが一番なので入浴時やテレビを見ている時でもOK。
呼吸は自律神経を鎮め、リラックス効果が得られるだけでなく代謝もアップします。「ロングブレス」でも有名になりましたよね。体温を上げてくれる副次効果も期待できます。
飲水習慣
先述していますが、適切な水分量というのは1日1.5L~2Lくらいです。
「そんなに飲めないよ」と言う人は一気に飲んでも一度に100cc程度しか体内に吸収されないということを覚えておいてください。だからこまめに補給が必要なんですね。
喉が渇いたと感じる時にはすでに軽度の脱水症状に陥っているなんて話もありますし。
また、脱水症を防止するために水を飲み過ぎて調子を崩したなんて話聞いたことありませんか?それが「水毒症」と呼ばれるもの。
水分の摂り過ぎで体内の電解質を薄めてしまうのが主な原因です(汗をかくときにミネラルなどが体外に排出されるのでただの水だと薄まってしまうんですよね)。同時に身体を冷やすのも良くありません。
常温の麦茶やポカリスエット(パウダーを薄めるのがオススメ)、オーエスワン(OS-1)のような電解質を含んだ飲み物を上手に使って水分を補給したいですね。一気に飲めないという点で言えば白湯なんかは朝起きた時にオススメです。
糖分がたっぷり入った清涼飲料水(コーラ等)はなるべく避けてください。「糖化」が進んでしまいます。酸化がサビ付きなら糖化はコゲ付きです。
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