肩関節と一口に言いますが、英語では「Shoulder complex」(肩複合体)と言います。英語は苦手なPTグッチです。
肩の動きが悪いことありますよね、原因は肩甲上腕関節(肩関節)だけの問題ではありません。英語では肩複合体と呼ばれるように複数の骨や関節が関連しています。
それらの骨や関節がスムーズに動くことによって円滑な動作が可能になっているんですね。今回は肩と鎖骨の関係性についてご紹介していきます。
肩を構成している骨と関節
上図は前面からの写真です。肩関節を構成する骨と関節についてご紹介します。
- 肩甲骨
- 上腕骨
- 鎖骨
- 胸骨
の4つの骨で構成されています。そしてこれらの骨で構成されているのは以下の関節です。
①胸鎖関節(胸骨と鎖骨)
②肩鎖関節(鎖骨と肩甲骨)
③肩甲上腕関節(いわゆる肩関節で上腕骨と肩甲骨)
です。本当は後面にも関連する関節があるのですが、詳細はより専門的になるのでまた今度。
肩こりに関連している骨は鎖骨
上記で3つの関節に触れていますが、3つのうち肩鎖関節・胸鎖関節の2つに関係する骨があります。
それが「鎖骨」です。
胸骨胸の中央にある骨と鎖骨を結ぶ関節を胸鎖関節、肩甲骨と鎖骨を結ぶ関節を肩鎖関節と言います。鎖骨は見ての通り胸から肩の端まで到達する細長い骨です。
しかし、この鎖骨が肩の動きにとても重要なポイントとなっています。肩と身体(体幹)をつないでいる関節になります。
鎖骨が折れていると肩が上がらない?
スキーや柔道などで転倒時に手をついた拍子に鎖骨を折った経験のある人ならお分かりになるかもしれませんが、鎖骨を折ると肩を動かすことができなくなります。
なぜなら胸骨・肩甲骨をつなぐ橋渡し役が外ならぬ鎖骨だから。周りの筋肉が収縮して延ばせなくなってしまうため肩が上がらくなります。
よって手術が必要な場合は金属を支えの代わりに骨折部分が付くまで挿入しておくか(必要なくなれば取ります)経過観察だけで良い場合はそのまま三角巾でつって固定しておきます。
骨折後の対処法
骨折後は骨折部がつっつく(癒合)するまで放置(安静)が原則です。
よく現場で患者さんが「先生早く骨折治してよ」という場面がありますが、困っちゃいますね(笑)
風邪も病気も骨折の治すのは自分ですので、急性期(骨折直後・炎症・発熱・受傷直後)は何もできることはありません。症状が落ち着くのをただ待つだけです。
安静の原理はこちらでも解説していますが、痛みなどが落ち着かない限りは運動は行えません。行ったとしても逆効果であることがほとんどです。動画はこちら。
肩の動きが悪いなら肩甲上腕関節よりも肩鎖関節・胸鎖関節の動きが悪いかも
関節の大きさ・動きが大きいのは断トツで肩甲上腕関節ですが、小さく動きを障害されやすいのは肩鎖関節・胸鎖関節の方です。
そして小さいので見逃されがちになるということもあります。また、こちらの記事でも書いているように
痛い部位がそのまま痛みの原因ではないケースも多々あります。
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まとめ
本記事で書いているように肩関節は複数の骨と関節によって構成されています。
特に鎖骨が重要なポイントであるという事がお分かりになったかと思います。また、痛い部分が肩(肩甲上腕関節)であっても原因が「(大きさが)小さい関連する関節」(肩鎖関節・胸鎖関節)の制限によって動きが悪くなっていることが多いということを覚えておくと対処法がさらに広がるかもしれませんね。
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