頭痛は辛いですよね。腰痛も大変ですが頭痛は何にもする気が起きなくなってしまいます。PTグッチです。
一口に頭痛と言ってもその原因は様々。
痛み方や部位によって少し絞り込めるものもありますが、大抵は原因不明なものとして付き合っていかなければならないものという認識の方も多いかと思います。
他のブログでは頭痛について詳しく書かれたものもあると思いますが、この記事ではなるべく痛み止めに頼らず理学療法士的な視点で頭痛の原因と運動を用いた改善方法について書いていくので、お付き合いくださいね。
理学療法士が考える頭痛の原因について
理学療法士的見解では個人的には頭痛の原因は以下に原因があると考えます。
- ストレス
- 運動不足による血流の滞り
- 代謝の乱れ
- 歯の問題 かみ合わせ
- 脳血管系の病変が隠れている
- 頭痛薬の副作用
原因1.ストレス
人はストレスを感じると全身の血管が収縮します。
次の項目の「血流の滞り」にも関連するのですが、全身が緊張していれば常に交感神経が優位になっている状態です。
家に帰ってもリラックスできない状態です。気持ち的にはリラックスしていても意識の底の方では常に臨戦態勢だと本当に休まってはいないですよね。
寝ていても心身が無意識のうちに緊張し続けるとどうなるか?自律神経系のバランスが崩れてしまいます。
ちなみに自律神経失調症に陥るととても大変です。そうなるとホルモンバランスが崩れたり、イライラしたり精神衛生上にもよろしくありません。
自律神経失調症に関して改善方法をまとめた記事があるのでそちらもどうぞ。
【ストレスは万病のもと】とも言われますので、時には適度に力を抜くのもよいでしょう。
原因2.運動不足による血流の滞り
むくみや骨盤などのゆがみが気になっていませんか?
身体が正常に働いているとスムーズに代謝がなされます。疲れやその他の影響によって血流やリンパの流れが悪くなることで色んな悪影響が出てきます。
身体が柔らかければ通常の動作でも様々な筋肉が使われ良い代謝が保たれます。むくみの場合は血流の循環のうち(循は心臓から出ていく方、環は足元から心臓に戻る方)「環」の方に問題がある状態です。
これはふくさはぎの筋肉や足の指先の運動や働きが低下していることが多いです。
血流が滞ると老廃物が溜まって排出されにくくなったり、同時に疲労物質が悪さをしやすい状態です。
血流が悪い場合一か所で起こっているワケではなく全身的に悪いことが考えられます(そのうち一番悪い部分が症状化します)。
軽い運動でも定期的に行う事でしなやかな筋肉や血流の改善効果を期待できるようになります。
原因3.代謝の乱れ
自律神経失調症や運動不足においても関連しますが、体温が低い(36℃以下)、冷え性、太りやすい、汗をかかないなどの症状がある場合はこの代謝の問題が考えられます。
冷え性の場合は代謝が落ちていることが原因であることも多く、筋肉が不足していると脂肪も燃えないし熱を生産できないので体温も低い状態となります。
暖まっても汗をかかないという人もまれにいますが、そこまでいくと体質改善にはかなりの努力を要することにも。
運動だけでなく栄養面にも問題があるケースが多いのがこちらの症状。長年ダイエットを継続している(食事制限などのやり方で)、好き嫌いが多い、水分をあまり取らないなどの場合は習慣化してしまっている場合もあるので身体の内部のバランスをまず整えることが先決です。
乱れた身体のバランスを整えるにはビタミン・ミネラルがたっぷりのサプリメントでちょい足しするのがベター。
原因4.歯の問題
ご存じかもしれませんが、肩こりの原因の一つとしてかみ合わせの悪さがあります。
または歯の被せもの(と使われる接着剤)によって不調が起きているケースもあるようです。
行く歯医者さんを変えたら改善したなんて話もあるようなので、設備が古かったりあまりこちらの話を聞いてくれない歯科医が担当だった場合は行く歯医者さんを変えてみることも検討してみては?
原因5.脳血管系の病変が隠れている
意外とありがちなのが病変が隠れている場合。ほとんどの場合はただの頭痛なのですが、痛む部分が頭なだけに判断が中々難しいところです。
痛み止めを使用しても効果がない、今までに体験したことがないほどの痛みが襲ってくるなど違和感を感じたら受診を選択してもいいかもしれません。
その他にも【関連痛】といって実際の病変や悪い部分が他の部分に痛みとして出てくるケースもあります。
関連痛について詳しく知りたい場合はこちらにまとめています。
原因6.頭痛薬の副作用
痛くて我慢ができない時頼りになるのが頭痛薬(痛み止め薬)。
しかしながら、常用し過ぎると却って悪影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。また、痛み止め薬は痛みを治すものではないことにも誤解があるので気を付けたいですね。
痛み止め薬に関して詳しくまとめた記事はこちら。
頭痛の種類について
あなたの抱えている頭痛の痛み方は次の内どれが当てはまるでしょうか?頭痛は身体の痛みと同様に一つのものだけではなく複数の要因が重なって結果として頭痛という症状で出ていることがあります。
受診時の情報提供をスムーズにして適切な診察・診断を受けるためにも自身の状態について知っておきましょう。
- 頭痛の起こる頻度や期間
- 痛みの部位(どこが痛むのか)
- 痛みの性状(どんなふうに痛むのか)
- 頭痛の持続時間等(発生する時間帯や持続時間など)
- 随伴症状(頭痛以外の症状があるか)
- 増悪因子(ストレスなどのきっかけ)
ケース1.頭痛の頻度や期間
例:慢性的に続いている、発作的に時々起こるなど。
これによってストレスが原因なのか、疲れた時に起こりやすいのかを大まかに判別することができます。
ケース2.痛みの部位
例:片側・両側、こめかみ付近・後頭部・頭全体が痛むなど。
片頭痛、血圧が高くても頭痛はしますし、痛む部位もそれぞれ違う事があります。
今回のメインの話とは若干違いますが、心臓が悪い場合は左肩に痛みが発生したりすることもあります。必ずしも痛い部分に病変や悪い部分があるワケではないのがポイントです。
ケース3.痛みの性状
性状って難しい言葉ですが、タイプと状態ということ。例:ズキズキ脈打つような痛み・締め付けられる痛みなど。
脈打つような頭痛は主に血圧が高い場合に起こりやすいですし、締め付けられるような頭痛の場合は交感神経優位になった時などに起こりやすいです。
ケース4.頭痛の持続時間
例:朝や夜、出現する時間のこと。
いつ頭痛が起こりやすく。どれくらい続くのか。1~2分で治まるものもあれば一度なると2~3時間は持続してしまうなんて場合もあります。
ケース5.随伴症状
随伴症状(ずいはんしょうじょう)とは頭痛に伴って起こる症状のこと。例:吐き気、光過敏や音過敏など。
脳のダメージというか疲れが蓄積されると光線過敏症などの症状が出やすかったりするケースもあり、強い光に当たるとくしゃみを引き起こす「光くしゃみ反射」なども見られるようになります。
この他にも最近では【天気病(痛)】と呼ばれる気圧や天気による体調不良を引き起こすものがあり、そちらも頭痛やめまいなどの症状が現れます。
ケース6.増悪因子
増悪因子(ぞうあくいんし)とは、悪くなったり症状が強く出たりする要因のこと。例:日常動作で悪化する、暗い所で休むと良くなるなど。
特定の人と顔を合わせると頭痛がするとか(笑)、会社に行くと頭痛が強くなるとか(笑)その他にも人混みで強くなるとかですね。
ムカつく上司やいじわるな先輩、気の利かない後輩など気の合わない人たちの集合体である職場では【増悪因子のかたまり】の中にいる環境ですが、生活していく以上辞めることはできないですよね。
しかしながら、悪くなることが予測・確信できているなら部署移動や働く環境を変えてもらったり、在宅ワークに切り替えてもらったりと働き方が比較的自由にできる環境なら対処することもできますし、
ストレスフルな環境に対応するためにストレス解消法を新たに模索するというのもオススメです。
5つの理学療法的な予防と対策について
薬に頼らない理学療法的予防と対策は以下。
- 質の良い睡眠をとる
- 定期的な運動を行う(軽めでOK)
- 適度に休憩して筋肉をほぐす
- 夏でも入浴して汗をかく
- 栄養のバランスを考えた食事を摂る
「拍子抜けするくらい普通の事じゃん!!」って思いましたか?でも現在のストレスフルな環境や食生活など乱れた生活を送っているとしたら、悪いことの方が習慣化していることも多いのでは?
- 近くのコンビニでも車を使う
- 休日は寝てばかりいる
- 四六時中スマホをいじっている
- 食事を作るのが面倒でインスタントで済ませる
などなど心当たりのある人も多いのでは?(笑)
生活を一気に変えようとするとそれもストレスになるので、一つでいいから見直してみることが辛い頭痛のループから抜け出るポイントかもしれませんね。
5つの対策の内すぐにでも取り組めるのは入浴することです。お気に入りの入浴剤を入れてゆっくり浸かったり、あまりリラックスする環境にはなりませんが雑誌を読んだりもオススメ。
習慣にしたい簡単・オススメ体操・運動
上図にもある通り肩をすくめたり、首を曲げる。上下・左右に捻るなどの運動がオススメ。
痛みを感じない程度の範囲で動かすことがポイントです。デスクワーク・在宅ワークの場合、頚~肩(肩甲骨周囲)の筋肉が凝り固まっていることが多いのでできるだけゆっくり、じんわり動かすことがオススメ。
こちらの動画でも同じようなことを解説しています。
また、目の周りの筋肉も凝るのでこちらの動画で解説しているように大きく動かしてあげましょう。スッキリしますよ。
まとめ
頭痛は仕事や生活のパフォーマンスを著しく低下させます。
ストレスにおいてより顕著に痛みが出やすいようなので、日頃の生活スタイルを変えてみる、栄養を取ってしっかり休む、軽い運動を取り入れて心身ともに健康的な状態を作り出して慢性的な頭痛から解放されるように環境を改善してみてください。
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