
現代病の一つストレートネック。スマホやパソコンなど下を向いて作業し続けるとなりやすく生活習慣の改善を指導しているPTグッチです。
スマホやパソコンを前より触る時間が多くなった、在宅ワークで仕事をする機会が増えて歩かなくなったり、運動量が落ちると首の痛みに悩むという話がよく聞かれています。
僕の職場でもストレートネックに苦しんでいる人も多く見かけます。
今回はストレートネックの予防と改善について書いていこうと思います。僕が普段指導したり運動療法を行っている実際についても書いているのでオススメです。
ストレートネックにはどうしてなるの?

ストレートネックについて詳しく書いた記事が首の辛い症状の代表例ストレートネックとはどんな症状?運動で解消別にもあるので説明はそちらをご覧ください。
ストレートネックになりやすい人はスマホをいじっている時間が長いなどの環境因子の他に以下の要素がある人が多いです。
- 骨や関節が柔らかい
- 構造上の問題
- 運動不足
- 身体が固い
これに付随して女性が肩こりになりやすい理由についても書いているので、参考にどうぞ。
女性特有の3つの肩こりになりやすい原因を改善する理学療法士が教えるセルフケア
ストレートネックの2つの対処法
一番効果的でお金も手間もかからないのが実は予防です。病気を治すよりもかからないようにした方が費用も時間もかからないというデータもあります(歯の治療をイメージしていただくと分かりやすいですかね)。
なので、一番オススメするのは日ごろからの運動や柔軟で予防をすることです。その次にこれ以上悪くならないようにする対症療法です。
いずれにせよやることは同じ(経過が違うだけですが)なので、以下に説明していきますね。
直接的対処法と間接的対処法があるので、分類するとこのようになります。
直接的対処法
- 運動療法(筋トレ・柔軟体操)
- マッサージ
- 整体などに通う
間接的対処法
- 枕を変える
- 姿勢を変える・注意する
- 習慣を変える
また、アイテムを活用することで楽になるのであれば積極的に使っていきましょう。
ストレートネックの予防と改善方法(直接的対処法)
では実際どのようにしてストレートネックに対して効果的な運動や柔軟体操を行っていくのがいいかについてお話していきます。
- 首の状態の確認
- 柔軟性の確保
- 筋肉の機能を発揮させる
という3ステップで進めていきましょう。
ステップ1.首の状態の確認
「首が痛い」と言っても症状は様々です。
筋肉が痛い場合もありますし、変形に伴う神経症状が一緒に出る場合もあります。あなたの首の痛みはどの程度でしょうか?
ちなみに筋肉でもして気持ちがいいこりや張りと押すと痛いこりや張りがあるのをご存じですか?後者は「スパズム」といいマッサージすると却って痛くなる場合もあります。
肩こりの記事でスパズムについて簡単に書いているので、詳しく知りたい場合は肩こりの時の無理なくできるセルフメンテナンス簡単な運動をご紹介の記事を参考にしてみてください。
ストレートネックは関節(頚椎-けいつい-)と筋肉両方に制限がかかるものです。中でも頚椎に負担がかかり変形するとなると当然近くを走っている頚髄(-けいずい-神経部分)が圧迫されて神経症状なども出てきます。
それぞれ単発で起こるよりも複合的に出ることで症状が悪くなります。軽度・中等度・重度と分けて考えてみます。首の痛みの他にある症状で分けてみますね。
軽度
首が痛いだけ。その他の症状(しびれ・吐き気・頭痛・肩こり・腰痛・自律神経失調症様の不快感)はなしとして考えてみてください。
軽度の場合は次のステップへ進んでOK。
中等度
首の痛みの他にしびれや肩こり・腰痛などの症状が伴っている場合(主に痛みがメインの症状)が強い場合は中等度と判定します。
軽度・中等度の場合は症状に注意しながら次のステップへ進んでもOkです。
重度
首の痛みの他に神経症状(しびれ・吐き気・頭痛・肩こり・腰痛・自律神経失調症様の不快感)も伴っている状態です。
こちらの記事が参考になりますよ。
ステップ2.柔軟性の確保
続いては柔軟性を確保していきましょう。同じ負荷をかけても柔軟性がある方がその負荷を分散することができます。
まずは筋肉がこわばっているならそのこわばりを改善していきましょう。筋肉には伸び縮みする機能が備わっていますが、凝ったり張ったりしている状態というのは筋肉が縮こまっている状態で伸びが悪くなっています。
IMC(等尺性収縮)によるリラクゼーション
イスに座っておでこに手を当てて首と手とで押し合いします(前と後ろ、左右)。
IMCには筋トレの側面と筋肉や関節のリラクゼーションの要素も含まれます。負荷量(強弱)をコントロールすることができます。
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力加減は弱めでOK。痛ければそれ以上やったり力を入れたりしない方がいいですね。
首の柔軟体操
イスに座って行いましょう。
前屈・後屈・側屈・回旋をゆっくり行います。
動画はこちらから。
温めてから行うと効果アップ
首の筋肉が固いと柔軟体操の真価は発揮されにくいです。また温めることで血行も良くなるので、効果がアップします。
入浴後がベスト。またはこちらのアイテムを使って温めるでもどちらでもOK。
デスクワーク・在宅ワーク時の方の冷えを防止してくれるアイテムです。800gとやや重いですが電子レンジで温めて使い続けられるので寝る前に湯たんぽ代わりとしても使えますね。
どちらも動いて筋肉としての機能を発揮するのですが、縮む・伸ばされるのどちらかが制限されるので、働きやすい方から使ってあげてとっかかりを作ります。
- 首を曲げる・伸ばす
- 首を横に倒す・左右を向く
- 両腕を伸ばす・横に倒す
上記のような運動で頚から肩甲骨までの筋肉をゆっくり延ばしてあげましょう。また、この際には引っ張り過ぎないように気を付けてください。
PTグッチがオススメする筋肉の延ばし方についてはこちらで解説しています。
マッサージのやり方について
先程触ると痛い筋肉「スパズム」の話をしましたが、痛くて張っている筋肉は無理やりマッサージしても痛いだけで効果どころか逆効果になってしまいます。
まず先に行うべきは緊張している筋肉をほぐすこと。順序的には温める>柔軟>マッサージです。
温めることは有効です(ストレートネックの場合は炎症が主体ではないのでほとんどの場合温めてOKです。オススメの方法は入浴。こちらのアイテムを使って首をしっかり温めてあげましょう)。
前述した首の状態の確認で、動かせる状態であれば柔軟性を出していきます。
最後にマッサージとなるのですが、とあるハンディマッサージャーを使ってもこりが楽になります。以下の動画を参考にしてみてください。
お手持ちのハンディマッサージャーでも問題ありませんが、あまり強い刺激は却ってよくありません。こちらの商品はレビューではあまり刺激が強くないとは書かれていますが、弱いくらいの方が負担をかけ過ぎないのでPTグッチ的にはこちらの商品でも十分と考えています。
マッサージチェアで1日数時間揉まれまくった母親が身体が痛いと言ってきたので「今すぐマッサージチェアを使うのを止めなさい」と伝えた。そしたら身体の痛みが消えたとさ。
これが「(マッサージの)やり過ぎ」ということです。#オーバーユース#ミスユース— PT(理学療法士)グッチ@セルフメンテナンスの伝道師 (@PTgutti) January 7, 2021
ステップ3.筋肉の機能を発揮させる
柔軟性を拡張しつつ続いては筋肉のバリア機能を復活させましょう。
筋肉は鎧に例えられることが多いのですが、しなやかな筋肉は刺激は受け流し、時には堅牢に身体を守ってくれます。
とは言っても積極的な筋トレはしないでもOK。とっても簡単な方法で筋肉の機能を復活させちゃいましょう。
上記の動画の中でも解説していますが、自分の手で首を曲げる・伸ばす・横に倒す時に押し返す感じで押してあげましょう。
5秒間を10セットくらいでOK。この時も強く押しすぎないようにしてください。
ストレートネックの予防と改善方法(間接的対処法)

ストレートネックの2つの対処法として挙げた
- 枕を変える
- 姿勢を変える・注意する
- 習慣を変える
について一つずつオススメのアイテムをご紹介します。
寝ている時は身体の力も抜け(こわばっている場合もありますが)ほぼ無防備な状態です。リラックスして休むことが安静を取るという事にもつながるので枕は非常に重要なアイテムです。
ストレートネックの随伴症状として肩こりや頭痛がありますが、首と肩は見ての通りつながっているので良い枕を使う事でストレートネックや肩こりにも良いです。
PTグッチオススメするのは自分でDIYできて自分専用にカスタマイズすることができる枕です。
また、ゆっくり休むためにはマットレスも重要な役割を果たしています。良質な睡眠を取ることは適切な運動をすると同じくらい大事なので(あまり重要視されていませんが)ストレートネックの他に肩こりや腰痛が気になる場合は検討してみてもいいかもしれません。
姿勢に関してはストレートネックの原因でも触れましたが、ずっと下を向いているだけでもなってしまいますが、言い換えると「悪い姿勢や習慣を改善すれば良い」ということでもあります。
最後に整体やマッサージにかかる際の押さえておくべきポイントについてご紹介。
優秀な整体師を選ぶための5つの条件を理学療法士が教えます。肩書や看板に騙されないポイント
おさらい
予防や運動、姿勢などの習慣についてはここまでに書いたこと
- 定期的な運動を心がける
- 良質な睡眠と睡眠環境
- 同じ姿勢を取り続けない
- 疲れたら休む(無理をしない)
- 積極的に身体を楽にするアイテムを利用する
をやってみることで大分楽になると思います。いきなりは改善しないですが、意識することで変わっていくと思うのでできることから一つずつ始めてみてください。
もし、セルフケアだけでは改善しなかったら
先述した通り人の手も借りることがポイントです。
ただ、整体だけでは一時は良くなっても毎日の習慣等ですぐに元に戻ってしまうこうとも。
そういう場合は僕があなたのセルフケアをサポートいたしますので、ご連絡くださいね。
また、こちらのサービスもやっておりますので良かったら見ておいてください。
あなたの身体の不調の原因と最適な対処法教えます この不調はどこから来ているの?話を聞いてアドバイスします
姿勢や動作を見ながら肩こり改善の運動を指導します ビデオチャットであなたの肩こりの原因を動作を見ながら改善
まとめ
ストレートネックはほとんどが後天性の要因が引き起こすことが多いのですが、元々の関節の構造などでストレートになりやすい人もいるのは事実。
しかしながら、本文中に書いたような簡単な運動でも頚部に負担が一極集中しないように心がけることで予防や改善していけるので、是非お試し下さい。
セルフメンテナンスを活用して健やかな暮らしを送っていただけますように。
コメント
こんにちは。
ストレートネックについての記事、とても興味深く読ませていただきました。
私は、20年以上もストレートネックと言われ続けていて、肩こりや頭痛が結構頻繁にある方だと思います。
事務仕事なので、じっと座っていることが多いのも原因だとは思いますが、器質的な原因もあるのですね。知りませんでした。
これからは、教えていただいた体操を休憩時間に積極的にやってみようと思います。
参考になって良かったです!コメントもありがとうございます。
記事を読んで分かりにくかったところなどあれば、改善のためにご意見いただければと思います。
首が弱いと肩こりを併発しやすかったり頭痛を引き起こしやすかったりと大変なことがあると思います。
お仕事的にも上半身を使う事務さんという事で無理せずにセルフメンテナンスしていっていただきたいと思います。
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