ストレートネックではないですが、寝違えが重症化しやすいPTグッチです。
頭痛や歯痛もそうですが、頭に近い部分の痛みがとても不快ですよね。
デスクワーク・在宅ワークでパソコン作業が多いと多くなってくる相談が【ストレートネック】です。頭蓋骨という重いものを支えるにしては首って構造上とても脆い部分だと個人的に思うんですよね。
今回は首の辛い症状の代表的なものストレートネックについて解説していきます。
ストレートネックとは
僕らの背骨がなぜS字を描いているのかというと、例えば歩く時の衝撃は足・膝・股・腰と衝撃を緩和するシステムになっていますが、【体幹】と言われれる身体の芯の部分(背骨)も実は衝撃緩和に一役買っているのです。
形状からしてたわんでいます。車のサスペンション(段差のある場所でも衝撃を吸収してくれる部品)のようにバネのようにしなることで各関節で衝撃を吸収してくれます。
頚椎も同様に衝撃や動きを滑らかにする観点からも理想的な構造になっているのです。
それがまっすぐになってしまったとなると衝撃吸収にとても不向きな形状になってしまいます。
ストレートネックになる原因は?
ストレートネックになる原因は様々。「え!?こんなことで?」と思うようなことでも積み重ねで意外と首には負担がかかっているということを覚えておいてください。
- スマホのいじりすぎ
- 枕が高すぎる
- 長時間のデスクワーク(パソコン作業)
- 長時間の同一姿勢(本を読む、猫背などの姿勢習慣)
原因の詳しくはこちらの記事にまとめているので、よろしければどうぞ。
どんな症状が出る?
ストレートネックになってしまうと様々な体調不良が起こる可能性があります。
- 変形に伴う神経根症状(しびれなど)
- 肩周囲の張りやこり
- 手先に力が入らない
- 可動域制限
- めまいや頭痛など(自律神経失調症様)
症状1.変形に伴う神経根症状(しびれなど)
ご存じの通り首には脳から脊髄そして全身へと神経が走っています。
ストレートネックは頚椎の変形の一種なので、神経の通り道を変化(悪い方に)させてしまいます。すると、当然神経を圧迫されたような影響(症状)が出てくることに。
酷くなると【頚椎ヘルニア】にも発展したりすることにもなるので、早めに対処したいですよね。
また、頭痛も引き起こしてしまう可能性もある(複数の原因が絡み合っていることが多い)のでこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
症状2.肩周囲の張りやこり
以前「肩こりの時の無理なくできるセルフメンテナンス簡単な運動」をご紹介の記事でも書いたのですが、頭蓋骨は身体の7~8%ほどの重さがあるものです。その頭を支えている頚部にはちょっと角度が変わっただけでもかなりの負担になります。
例えるならボウリングの球を支えている手首を思い出してもらえると想像しやすいと思います。手首の角度を変えただけで球を支えていられなくなるほど重みの感じ方が変わってきますよね。
つまり、頚椎の角度が変わる(ストレートネックになる)と首にかかる負担が増すという事。
0°で4~6kg(頭蓋骨の重さ)が頚部にかかるとするなら、
15°で約12kg(2~3倍)
30°で約18kg(3~4倍)
もの負荷がかかるということです。
こうなると首を支える筋肉にも同じように負担がかかるということが容易に想像できますね。
もしあなたが肩こりにお困りなら、別記事で肩こり解消法についてお伝えしています。
症状3.手先に力が入らない
ぎっくり腰にならないための予防と動作について。なったら安静にして冷やすの記事でも書いたのですが、椎間板(などの組織)のダメージが限界を超えるとぎっくり腰になります。
上記の項目でも書いてきましたが、頚椎に負担がかかると筋肉に必要以上の疲労や張り・こりを引き起こし、血行不良を起こします。
そうなるとしびれや筋肉の正常な動きの障害によって手先の動きにも影響を及ぼします。ストレートネックと似たような症状で「頚椎症(けいついしょう)」というものがありますが、こちらでも手先に力が入りにくくなることが起きます。
症状4.可動域制限
頚椎の構造として関節面が鋭角であることが特徴の一つなのですが、自然な前弯に伴って回旋(左右を向く動き)するようにできています。
これが変形してしまうと元通りの動きができなくなります。
可動域制限には2種類の制限因子が存在して、それが
- 関節面の(変形による)制限
- 筋肉が延びなく(固く)なっての制限
です。
関節面のズレ(変形)が起こるとそれだけでも動きは悪くなりますし、筋肉が固くなって延びにくくなっても同様に可動域に制限が起きます。
もちろん、これに痛みが加わるとより動きに悪影響を及ぼします。
症状5.めまいや頭痛など(自律神経失調症様)
これまで書いてきた症状があるだけでも辛いですが、血行不良・筋肉の張り・神経根症状とが重なると自律神経失調症のような症状が起きます。
本当の自律神経失調症ではない疑いの「偽(ぎ・にせ)」症状となるので、原因の発見がさらに困難になったりします。原因不明の不調が実はスマホの使い過ぎだったり、枕が高すぎることで起きていたなんてこともストレートネックの治療をしていくうちに自律神経失調症のような症状も一緒に改善したなんて話もよく聞きます。
自律神経失調症にお悩みの場合はこちらの記事を参考にしてみてください。
自律神経失調症の症状がある人にオススメな運動・体操を動画で解説しています。「目は外に飛び出た臓器」という俗称があります。視神経に直接つながっているので脳の疲れなどにもダイレクトに効きますよ。
頭痛の原因は顔面の筋肉をほぐすと解消することも。耳を引っ張るだけでも良い刺激になるので試してみてください。
実際に理学療法士が考えるポイントと行っている運動について
身も蓋もない話になっちゃいますが、日頃から注意しておけば辛い症状を避けることができます。大事な対処法なので書いておきますが、
- 予防
- 運動による改善
という方法に分かれます。
予防
基本的な対策としては【ならないこと】つまり「予防」が何より大事です。
先程書いてきた以下の習慣や姿勢を意識的に治すことがポイント。
- スマホのいじりすぎ
- 枕が高すぎる
- 長時間のデスクワーク(パソコン作業)
- 長時間の同一姿勢(本を読む、猫背などの姿勢習慣)
この中でも一番今からでも対処できるのが【スマホを使う時の姿勢】ですね。
また、枕に関しては自分に合うものをDIYで作る枕もありますし、長時間のデスクワーク・在宅ワークの場合肩こりの時の無理なくできるセルフメンテナンス簡単な運動をご紹介の記事に書いてあるような運動を休憩時に行ったりするだけでかなりの症状の軽減・改善になりますよ。
またこの中で一番対策が難しいと思われるのが姿勢を治すことです。
女性は特に猫背・反り腰の姿勢でいる人が多いと思います(僕の経験上ですが)。男性のように腹式呼吸ではなく胸式呼吸であることも関係していると思います。
関節や筋肉が柔らかいことや腹筋に力が入りにくいのも性差でしょうか。
猫背の場合が頭部が前に出るのでストレートネックがさらに増悪しやすい(さらには肩甲骨周囲も前方へ引っ張られる)ですし、反り腰でも頭部の位置が通常よりも後方に位置しているので頚部の後ろに負担がかかりやすいです。
運動による改善
本記事ではストレートネックの症状に関しての情報を提供するのをメインとしています。
詳しい運動方法について知りたければ理学療法士推奨、ストレートネックの予防と運動療法による改善方法という記事を用意したので、そちらをご覧ください。
まとめ
ストレートネックの特徴と症状について解説しました。
頚椎は重い頭部を支えるのにはやや弱い構造ということを踏まえて、日頃の姿勢や動作を見直してみてはいかがでしょうか。
予防しつつ体操・運動をしていれば症状は快方へ向かっていきますよ。
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