枕が合わないと寝られないほど繊細ではありませんが、寝違えが多くなるPTグッチです。
「枕が変わると寝られない」これは一昔前までは神経質だ、「そんなことないでしょ?」などと捉えられることが多かったことかもしれません。
しかしながら、現在では自分に合う枕でないと睡眠の質が下がってしまうなんてことも言われるようになってきています。
枕が合わないことで肩こりや頭痛を引き起こしていることも。寝ている時なのでどうしようもありません。
なので、快適な睡眠のための一要素としてマットレスと枕、寝る部屋の環境はとても大事だと思っています。
今回は理学療法士としての観点で理想の枕の高さと、枕が合わないことで起こる弊害についてとその問題を解消することができる理想の枕を創れる「DIY枕」をご紹介していきます。
ちなみに、僕がオススメするマットレスは睡眠の質はマットレスで決まる?腰痛や不眠に悩んでいるなら寝具の見直しをに書いたので参考までに。
枕が合っていないと引き起こされる5つの身体の不調
枕が合わないことで起こる身体への影響としてはざっと以下。
- 肩こり
- 睡眠の質の低下
- 腰痛
- いびき・睡眠時無呼吸症候群
- 頭痛
現象1.肩こり
頚(くび)と肩はつながっています。
なので、頭の位置によって頚や肩が引っ張られることになるため適切な位置に収まっていないと余計な痛みを引き起こす原因になってしまいます。
また、首と肩はつながっているので、肩こりから頭痛に発展することも(逆もあり)。
詳しくは肩こりと頭痛の解消法。温めたり運動することで改善できますを参照してください。
現象2.睡眠の質の低下
寝ている時に首や頭が緊張していると深い眠りにつけません。
何だか寝つきが悪い、寝姿勢が定まらないってことありませんか?
あれは調子によって変わりますが筋肉が緊張しているということは力が入っているという証拠です。
心配事があったり緊張していると良い睡眠はとれないですよね?それと同じで、リラックスして寝られないという事は睡眠の質の低下につながります。
こわばりが強いと身体に負担がかかるのと同時にこりが強まる可能性もあるということです。
不眠や睡眠の質が悪い時に飲むサプリメントがあります。
詳しくは不眠や眠りが浅い気分が乗らないならセロトニン(栄養)不足。セロトアルファで改善を参考に。
現象3.腰痛
頚部(首)の問題なのにどうして腰痛が関係するの?って思いましたか?
実は頚部から骨盤にまで達する筋肉が奥深くにあるんです。
頚を寝違えたり、何だか不調だと身体全体の動きが悪くなったような感じがしたことありませんか?
あれはまさにつながっている筋肉が緊張しているから。【全ての不調は頚部から来ている】と言っても過言ではないくらい繊細な部分です。
また、背骨と言うのは頚から腰までつながっているため、背骨の1部分でも歪んでしまうとその歪みが原因で腰に不調が出てしまうこともあるんです。
肩こりの原因が直接的に肩ではなく間接的な頚や肩甲骨にあるということからも証明されています。
頚には脳からつながる神経がたくさんあり自律神経系とも深い関わりがあるので、不調が出るのは腰だけじゃないということにもなります。
現象4.いびき・睡眠時無呼吸症候群
いびきは太っている人だけに起こるものではありません。そうでない人でも枕の位置が悪かったり(高すぎる)すると顎(あご)が引けてしまい、気道を圧迫していびきをかいてしまう可能性が。
先程「現象2」でも書きましたが、首周りの緊張が変わって(落ちすぎると)舌が垂れ下がり気道を塞いでしまうことでいびきや酷い場合になると睡眠時無呼吸症候群(寝ている間に息が止まってしまう)に陥ってしまう事もあり得ます。
【良姿勢】を保つことによって身体に余計な力が入らず、かつリラックスして眠ることができるので枕は大事なポイントなんですね。
現象5.頭痛
枕と頭痛の関係って想像できますか?この二つを結びつけるのは「自律神経」。
理由としては枕の位置が悪いと無意識のうちに頚部を圧迫してしまって、その結果交感神経(活動する時に主に優位になる自律神経)が過度に緊張し血管が収縮することで脳への血流が悪くなります。
すると脳内の血液が不足してしまったり、呼吸が浅くなってしまって酸欠状態に近くなり頭痛が発生してしまうことになります。
詳しくは自律神経失調症の症状と治し方について理学療法士の視点でご紹介を参照してください。
また、寝ている間ずーっと力が入っていると頭蓋骨を覆う筋肉が張ってきます。
寝ているのに疲れが取れない、頭痛(肩こりも伴う)がするという場合はほとんどが枕が合っていないということが考えられます。
理想の枕の条件は自分の頭の角度に合わせて高さを調節・スキマを埋めることができるもの
上記では【枕が合わないと出る症状】についてお話してきました。
この項ではどういう枕が理想的なのかについてご紹介していこうと思います。
理想的な寝姿勢理想は理想の枕からということで理学療法士的な視点でお話します。
- 起きている時のような頭の位置
- 頚椎のS字をスキマを埋めてくれる
- 高さ・大きさ・素材
起きている時のような頭の位置
枕で一番大事なのは【自分に合った高さ】です。
この図は立っている図ですが、これをそのまま横(仰向け)にした図が理想の寝姿勢になります。
この状態を寝ている時に枕で頭と頚を支えることができる枕が理想ということです。
意外とこの図のように立っていてもお腹が引っ込んでいたり、腰が延びていない人もいると思うのですが、立った姿勢であるのが一つの目安として覚えておいてくださいね。
頚椎のS字をスキマを埋めてくれる
枕は頭を乗せるものではなく【支えるもの】という解釈です。次の項でも書きますが、上図を見てもらうと分かる通り背骨はS字を描いています。
頚椎が前弯(ぜんわん)・胸椎は後弯(こうわん)・腰椎は前弯というような形を取っています。つまり頚の後ろはスペースが空いているという事。
理想の枕は頭・頚・肩をしっかり支えるものであることが条件になっています。
高さ・大きさ・素材
続いて枕は頭・頚・肩をしっかり支えるものという話を元に進めると、ある程度の大きさが必要であることが分かります。
またマットレスは頭や頚・肩を支えるものなので、ある程度の硬さや強度が必要になってきます。
人によって骨格が違うのと同じで人それぞれ枕の高さや硬さが異なるという事がポイント。
後にPTグッチオススメの「高さが調節できるDIY枕」のお話もするのですが、自分で調節できることで自分に合った理想の枕を作り上げることができるようになります。
また素材については通気性の良いもの、汗などを吸収してくれる素材であれば言うことなしですね。
枕を変えるだけで睡眠の質が変わる理由
他の記事でも書いているのですが、ポイントとなるのが【姿勢】です。
それも良い姿勢と書いて【良姿勢(りょうしせい)】という、文字通り良い姿勢のこと。
良い姿勢だと何が良いの?
って疑問が当然ながら出てくると思います。
理学療法士的なお話をすると良姿勢というのは【最も身体が効率的に動く姿勢】言い換えると、身体に負担がかかりにくい姿勢という事。
寝ている間は無防備。普段身体を守っている筋肉の緊張も落ち、重力に伸ばされっぱなしという状況です。
こちらの記事では腰痛に関して書いていますが、頚に関しても同じことが言えます。身体全体を支えてくれるのがマットレスなら、頚部を支えてくれるのはズバリ枕です。
余計な力が抜け、リラックスして眠ることができれば疲労物質がしっかり流れていき、自律神経系の回復と共に脳内のメンテナンスもしっかり行える理想の環境が出来上がります。
PTグッチオススメのDIY枕
さて、ここまでの話をまとめます。自分に合った理想の枕とは
- 起きている時のような頭の位置
- 頚椎のS字をスキマを埋めてくれる
- 高さ・大きさ・素材
でかつ、自分の頚(頚椎のS字カーブ)と床面のスキマを埋めてくれるものということでした。
そこで自分で枕の高さを調整できるDIY枕が最適と考えました。
そこでPTグッチがオススメする枕とはぴったりの枕を自分で作る。睡眠DIYを追求した【アイメイドシリーズ】です。
こちらの枕シリーズが3つあるんですが、その中の【フィッティ】がオススメ。
オススメの理由としては
- 枕の高さを変えられる中身(パイプ)を自分で足すことができる
- 高さ調節シート付き
という所。
枕専門店での高さのフィッティングって面倒だし、緊張しますよね。
「何度でも直せます・調節できます」というのは確かに嬉しいものですが、調整の度に枕を持参して調節というもの大変ですし、持ち運びするには大きすぎますし何より目立ちます(笑)
また、値段的なお話になりますが、枕専門店で枕をオーダーで作るとなると1つ3万円~というのが大体の相場です。
でも、今回オススメするぴったりの枕を自分で作る。睡眠DIYを追求した【アイメイドシリーズ】
は価格帯もお手頃ながらしっかりとしたフィッティングが期待できます。
大きさは肩の部分もカバーされた形になっているので仰向けでも横向きでもOK。生地に関してはテイジンの繊維を使っているので、丈夫で丸洗いにも対応!!
自宅でゆっくりDIY気分を味わいながら「今回の枕はどんな感じかな?」と楽しみながら調整するのも一つ楽しいかもしれません。清潔で通気性も良い枕で快適な睡眠を。
自分でできるオススメ頚部(首)のセルフケア法
デスクワークや在宅ワークで酷使するのは頚と目。頭の重さは体重の7~8%ほどの重さもあると言われています。
例えるなら手首が頚でボウリングの球を投げる前の格好でずーっといるようなもの。…想像できました?あれだけ重たいものを同じ姿勢で支え続けるという大変な作業。
でも実は僕らはパソコン作業をしている際やスマホを見ている時にはこれと同じような負担を頚にかけ続けているという事を。
それだけ負担をかけていれば不調にもなりそうなものだと思いますよね。だからこそ、自分でいたわってあげることが重要です。
今回の枕もそうですが、自分で凝っている肩や筋肉をほぐしてあげられれば大分楽になると思うので、是非こちらのセルフケア術をマネしてやってみてくださいね。
動画はこちらからどうぞ。
頭痛を伴う場合はこちらのセルフケアがオススメ。
頭部や耳の周りの筋肉をほぐすことで血行を改善し頭痛を改善します。
以下の動画は首と肩の関連性を考えて必要な運動になるので、載せました。
セルフケアをする前にちょっと確認。その首痛みストレートネック?
上記のセルフケアは確かに首の痛みや周りの筋肉のハリを配膳するのに役立ちますが、やり過ぎたり状態把握を間違って運動してしまうと逆効果になることもあるので要注意。
詳しくまとめた記事は首の辛い症状の代表例ストレートネックとはどんな症状?理学療法士が解説で紹介しています。
まとめ
枕は頭と頚を優しく受け止めてくれるとても重要なパーツです。
頚が休まらないと寝ていても熟睡できなかったり、肩こりや頭痛、寝違えや不調の一因となってしまう事もあります。
自分に合う枕って中々見つけるのは難しいですが、DIY気分で調節しながら自分だけの枕にして快適な睡眠をとれるようにしてみませんか?
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