運動不足が原因で起こる様々な症状。解消するには原因を見極め適切な運動を推奨するPTグッチです。
デスクワーク・在宅ワークの方には悪友というか、切っても切れない肩こり。
イスに座ったままの姿勢が長く続けば頭部を支えたりしているうちに筋肉が徐々に固くなっていきますよね。運動不足の筋肉は伸び縮みができなくなって血行不良に陥りさらに悪化するという負のスパイラルを引き起こしてしまいます。
今回は運動不足で肩こりになってしまった人のための運動療法(解消法)についてご紹介していきます。
肩こりの原因
原因に関しては色々あります。詳しくはこちらの記事でも書いています。
そして、本記事では「運動不足が原因の肩こり」について詳しく説明していきますね。
運動不足の場合どこがこってくるかですが、大抵
- 首(頭痛も関連してくることも)
- 肩甲骨
- 背中(場合によっては腰)
ということになりますね。
運動不足の場合筋肉が張っている(動きが制限される可動域制限)というのがメインの症状だと思います。運動不足以外であれば痛みがメインになっていることが多いので、その場合はまずは安静を取ることから始めてみましょう。
肩こりに類似・関連して発生する症状
肩こりは単体で起こっている場合もありますが大抵は色々な原因が複雑に絡み合って発生しているケースがほとんどです。詳しくはこちら。
関連する症状は以下。各リンク先で書いているのでそちらをチェックしてみてくださいね。
肩こりと頭痛は良くある組み合わせですが、長く続くと生活にも支障が出ます。よく現場で聞きますが「痛いところが次から次と出てくる」というのはまさにこれらの負のスパイラルが強まるため。
ちなみに、肩こりは五十肩・四十肩とは若干病態が違いますが、痛いのを無理して動かすと悪化(炎症が出て)して五十肩・四十肩にバージョンアップしてしまうケースもあります。
運動不足が原因の場合の肩こりの解消法
運動不足の場合の多くは筋肉の機能(伸び縮み)が制限されていることが多いです。つまり、筋肉をしっかり機能させるためにほぐす作業と言ってもいいかもしれません。
そうするとストレッチやマッサージということがすぐ頭に浮かぶことと思います。しかし、本当の意味ではストレッチは逆効果になることが多いし、マッサージでもやり方によっては同じく逆効果になって治らないどころか悪化させてしまうという事も最悪考えられます。
ではどのように対処するのが一番効果的かですが、理学療法士18年の臨床経験での解消法をお伝えします。順序としてはこちらの順番にやっていただくと良いと思います。
- 物理療法
- 柔軟体操
1.物理療法
基本的には冷えは大敵ですので、基本的には温めることになります。身体が固いと筋肉の熱産生能力も低下しますし、血行不良があれば痛み物質も残存していることも多いですので。
温め方に特別なことはありません。局所を温めるだけでも効果はありますが、入浴習慣がなければ是非とも入浴習慣を持って全身を温めてください。急性症状(例えば炎症)がない限り身体を温めて悪いことはありません。
入浴(身体を温める)に関して言えばオススメのアイテムもありますので、是非そちらについて書いた記事もあるので参考にしてみてください。
1-1.消炎鎮痛(湿布)に関して
消炎鎮痛薬(湿布)を活用することもオススメの方法です。
湿布を貼るポイントは以下の記事内で解説しています(記事内では五十肩となっていますが、共通する部位は同じなのでそちらに湿布を貼って様子を見てください)。
ちなみに、冷湿布・温湿布どちらの方が適切ですか?という質問が多いので解答しますね。
基本的に温冷どちらの湿布でも効能に変わりはありません。皮膚感覚にとって冷たいか、温かく感じるものを使っているかの違いだけです(温湿布の方にはとうがらしのカプサイシンが配合されているものもあります)。
どちらでも皮膚が荒れることがあるので使用時には注意してください。特に皮膚の弱い方は荒れてしまいます(温湿布の方がカプサイシン効果で荒れやすいという話も)。
PTグッチオススメはロキソニンSテープ、市販であればフェイタス5.0 大判サイズ(セルフメディケーション税制対象)(14枚入)など。
2.運動療法
安静と物理療法で痛みが軽減され、運動してもよい状態になったら運動療法を実施していきます。
「改善のための運動療法」と聞いて連想するのはすぐに「運動して改善する」ということを考えていた方も多いのではないでしょうか?
即効性を求めても今の状態になるまでには相応の年月と条件が重なってのことなので、プロの手にかかっても思うように改善しないかもしれません。
だから予防・改善をおこなうための「セルフメンテナンス」を僕が指導しているワケです。
2-1.マッサージ
マッサージも運動療法の一つです。ほぐすという意味では良いですが、(痛みやつっぱりが強いなどの)状態によっては(悪化を防止するため)ほぐれるのを待つことを選択するのが重要。
運動療法が失敗・うまくいかないケースは早く治したいからと言って急な運動をしてそれを受け容れる器を育てていないから。
2-2.器具を使ってのほぐし方もあります
動かしたりすると痛い場合や張っていて辛いという場合には軽い刺激でほぐす方法も一つです。以下の動画でやり方を解説しています。
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実際に行うセルフメンテナンスについて
ここからは実際にやっていただく運動療法です。
肩こりは肩だけでなく首や腰からの影響も受けていることがあるので、全身運動的な要素も必要な場合があります。
やっていただくのは
- 柔軟体操
- 筋トレ
です。
柔軟体操
肩と首・背中の筋肉を中心にほぐしていきましょう。ちなみに筋トレは姿勢の改善と弱った支持機構を鍛え直すという目的です。筋肉をつけるという目的では行いません。
基本的には運動不足と同一姿勢による動きの悪さ(固さ)があるため、ゆっくりと。予防・改善のやり方はこちらの記事でも書いています。
まず最初に試してみて欲しいのがこちらのエクササイズ(ホールド&リラックス)
頚部も肩こりと密接な関係があるのでほぐしていきましょう。
力を入れても痛くなくなったら徐々に押さえる力を強くしていきましょう。
スパズムに近い張りやこりの筋肉でもアプローチしやすいのが特徴です。それでもやはり力加減には気を付けて欲しいです。
動画内でも解説していますが、最初は軽く、痛みが出る場合は出ない範囲でまずはお試し。まずはこちらの運動から始めてみましょう。
動画はこちら。
次の動画の内容をこちらで図入りの方が分かりやすいこともあるので載せておきます。ポイントは肩よりも「肩甲骨」を意識しましょう。
ちなみにこちらは悪い例。下図のように背中が曲がってしまっていると手先が上に上がりにくいので脇を延ばすようにしていきましょう。
ちなみに「肩甲上腕リズム」というのは肩を外に開いたときに上腕骨だけでなく肩甲骨も一緒に動く割合の事です。(肩を90°外転したとき肩甲上腕関節が60°、肩甲胸郭関節が30°上方回旋する)粉かな部分はさておき、上腕骨と肩甲骨が一緒に動くくらいの認識でOKです。
筋トレ
ほとんど肩こりの場合は柔軟性を高めることで改善するし、定期的にセルフメンテナンスしていただければ良い状態を保てます。
なので、こちらの筋トレはあくまで筋肉を付けるという意味合いよりも筋肉の機能(適切に伸び縮みする)を保てるような内容にしています。
内容は肩甲骨周囲を動かす(IMC(等尺性収縮)等)ものになっています。
まずは図解から。座っても立ってでも行えるのでお好みのシチュエーションで実施してみてください。
次の動画は似たようなことを解説しています。時間を分けて行えるように区切りました。
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まとめ
いかがでしたか?運動不足になると筋肉の本来の機能(伸び縮み)が落ち血行不良を起こし、老廃物や疲労物質が蓄積しやすくなってしまいます。
本記事内で推奨している物理療法と運動療法を併用して軽めのエクササイズを継続することで同一姿勢が続いている時でも筋肉がつっぱらないように守っていくことができるようになります。
定期的な休憩と適切な運動療法で肩こりに悩まされる時間を少しでも減らしましょうね。
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